蘭光生作品との出会い

 
 私が蘭光生作品を読むようになり、こうしたファンサイト紛いのモノまで立ち上げるようになった経緯について書きます。
 ダラダラと退屈な自分語りになりますが、ちょっとお付き合いいただければ幸いです。


 昭和時代の最後半に生を受けた私は、世紀の変わる頃に、やりたい盛りの青年期を迎えることになりました。
 やりたいと言っても、貧乏で彼女もいなかった私は、日々の性処理を専ら自分でシコっていようということになります。そのためにはオカズが要ります。


 昭和でも大昔はどうだったのか存じませんが、私が子供の頃にはビデオデッキが既に広く普及しており、若者の多くはそれでAVを見たり、あるいは扇情的なグラビア本を見たりして自慰に耽っていたのではないかと思います。私もそうでした。
 しかしそれだけですとやはりマンネリ化してしまって、次第に何か他のネタはないかなと考えるようになります。
 いきおいエロ劇画や官能小説はどうだろうと思いつき、本屋でそういったモノをいくつか立ち読みしてみたのですが、どうも肌に合うものが見つかりませんでした。上手く興奮できないのです。


 やっぱりAVを見てシコってるしかないのかなあと思っていたところへ、私の生活に一大変化が訪れました。それはインターネットの利用開始です。


 西暦2000年当時、ネットの普及率は全世界でせいぜい10%弱、日本でも20%に満たなかったそうですが、当然その頃の我が家にもネット環境・・・ていうかそれを行うためのPCすらがありませんでした。


 ところがある日、バイト先で仲の良かった先輩が、パソコンを新調したということで、古い機種を丸ごとタダで譲ってくれたのです。
 先輩はPC本体だけでなく、プリンタやモデム等周辺機器一式を我が家に運び込んでセットし、ネットにも繋いでくれました。
 昔のこととて詳しくは覚えていませんが、OSはWin95、ネットはADSL接続だったように思います。


 こうして飛び込んだネットの世界で、私はその圧倒的な情報の海に酔い痴れました。
 もちろんエッチな写真や絵も散々楽しみましたが、その興奮が一段落すると、ズリネタとしてのエロ劇画や官能小説を探していたことを思い出しました。
 世の中には山のようなエロ作品がありますから、好みのモノを独りで調べていても埒が開きません。しかしネットならば世間中の趣味人から瞬時に情報を教えてもらえますので、そういう検索にピッタリだと思いついたのです。
 現在ならば当たり前のことですが、当時は、ていうか当時の私はまだ、そうやってネットの利用法自体を色々模索しているようなレベルでした。


 私は取りあえず、大型掲示板の官能小説板に行ってみました。
 そこではエロ小説のアレが良かったココが良かったという雑談や議論が熱く繰り広げられていました。
 しばらくROMってから恐る恐るオススメの官能小説について質問してみますと、スレの住民から、とりま昭和のポルノ御三家とSM御三家くらいは読んでおけみたいなことを言われました。
 まことにお恥ずかしいハナシですが、私はエロ小説の世界にそういうビッグスリー的な存在がいることを、それまでは全く知らなかったのです。


 せっかく教えていただいたことなので、私は早速SM御三家(団鬼六・千草忠夫・蘭光生)の作品を読んでみました。その感触は・・・・


 団鬼六氏はいかにも時代が付いていて、大仰で、私には読みにくい。
 千草忠夫氏は抜くのに使えなくはないが、でも自分にはコレじゃなくても良い感が強い。
 そして蘭光生氏のそれは・・・


 まさにコレだ!!
 という、天啓に打たれたようなショックでした。


 読みやすい!面白い!そしてヌケる!の三拍子!
 求めていたモノがここにあった!
 と感激しきり。インターネットよ有り難う!な心境でした。


 テキストコンテンツがズリネタになるということを、私は蘭光生氏の作品によって、ようやく強烈に実感できたのです。

 
 その後、氏の作品読みたさに古本を買いあさり、最初はフランス書院の文庫本が主でしたが、次第に二見書房刊の新書本も欲しくなり、手に入る限りは集めました。
 そうした本の検索にも、インターネットは優れて有用でした。ていうかネットというものが無ければ、蘭光生氏がいつどのような本を上梓されていたのか、素人の私には到底把握しきれなかったでしょう。


 かくして私は、やたら遅れてきた蘭光生ファンとなり、氏の作品のどこが好きになったのか、何故魅了されたのか、なんてことを自分なりに記しておきたくもなりました。
 それがこのサイトを立ち上げた動機ですが、たまさかココを目にしたさらにお若い方が、
 「へえ、蘭光生ってそんなに面白いのか」
 「古い作品らしいが一度読んでみようかな?」
 などと思っていただけるきっかけとなったりすれば、これに増す喜びはありません。


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