間接照明がほの暗く灯ったリビングルームで、男が1人、カウチソファに浅く腰かけている。
 男は全裸で、大きく開いた脚の中心には、固くいきり立った男性自身が剥き出しに見えている。
 座った男の前には、3人の若い女が、これも全裸で座っている。
 3人が3人とも、人並み優れた美貌と、はち切れそうに豊かなプロポーションを備えていることが、弱々しい光の中でも良く分かった。
 異様なのは、女たちは皆後ろ手に手錠を掛けられ、首には赤や緑の犬用首輪をはめられていることだ。
 首輪にはそれぞれ太い鎖が繋がれ、その端を3本束ねるように、男が左手で握っていた。
 「・・・・・」
 男が何事かを低い声で発し、鎖のうちの1本を右手に移してグイと引っ張った。
 と、その鎖の繋がった首輪に引かれ、左端にいた女が、正座の姿勢から軽く尻を浮かせて前かがみになり、男の股間に顔を寄せる。
 やがて不自由な後ろ手にされた女の上体、そして豊満なヒップが艶めかしく揺れ出し、ピシャピシャと湿った音が口元から響き始めた。
 女は男に命じられるまま、口で淫らな奉仕をさせられていたのだ。


 男は三十を少し出た独り者で、名前を佐久間秀夫といった。
 別に好きで独身でいたわけではない。その醜く下卑た風貌と、陰気な性格から、女にとんと縁が無かっただけのことだ。
 キャバレーや風俗店に出かけても全くモテないので、金を使うのが馬鹿らしくなってしまう。
 女への興味と性欲はむしろ人並み以上に強いのに、秀夫はこの三十年、それを体内へ抑え込んで悶々としているよりなかったのだ。


 そんな彼の惨めな人生を、グルリと逆転する好機が突然訪れた。マグニチュード8を超える大地震が、初秋の東京を襲ったのだ。
 建物の大量倒壊、火災旋風と呼ばれる竜巻のような大規模火災、電力や道路交通の麻痺が次々と起こり、市民の多くはその地獄の中、パニックを起こして逃げまどうしかなかった。

 
 比較的安全だったのは、倒壊を免れた高級マンション群だった。
 耐火性が高いし、ドアを閉ざしておけば、暴徒と化した群衆の略奪行為からも身を守れる。秀夫はその一室のオーナーだった。


 株取引で小金を貯め込み、若くして手に入れた部屋は、4人世帯向けの3LDKである。
 独りで暮らすには広すぎるし、ムダな買い物かなと思ったこともあったが、それが突然、大災害で右往左往するだけの市民を高見から睥睨できる、秀夫の山城、要塞となったのだ。


 (これは災難じゃない。むしろ幸運だぞ。いや、女運の全く無かったオレに、神様が贈ってくれた千載一遇のチャンスなのかもしれない・・・・)
 大火災の続く市街を五階の窓越しに見下ろしながら、秀夫はその心中に邪悪な計画が芽生えたことを自覚した。
 少なくとも今、自分は安全な場所にいる。身を守るすべのない避難民の群れよりは、確実に有利な立場にいるのだ。


 歪んだ優越感が、秀夫にそれまで思いもしなかった犯罪行為を実行する大胆さを与えた。
 彼は目立たないよう、非常階段を使ってマンションを出入りし、夜の市中で気に入りの若い女を誘拐しにかかったのだ。それはまさに、獲物を狙って狩りを行う、邪(よこしま)な猟人の姿だった。
 大混乱が続く中、夜陰に紛れて徘徊する三十男に注意を向ける者は誰もいない。
 闇の中から、思いがけない奇襲を受けた女たちは、麻酔薬を浸ませたガーゼで手も無く眠らされ、次々に秀夫の部屋へと連れ去られた。
 かくして彼はうまうまと、3人もの美女を自室に監禁し、脅しつけ、凌辱して、自分だけの性奴隷にしてしまったのである。
 まるでこれまでの不遇な半生に復讐するかのように、秀夫の秘めていた獣性、残忍性が、女たちに向けて容赦なく振るわれた。地獄の底にヒッソリと誕生した、小さなハーレムの中で・・・・・


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